「ダメな社員」は存在しない
2026.05.21
「うちの社員はダメなんです」
この言葉、私はこれまで何十人もの経営者から聞いてきました。
でも不思議なことに、その会社の社員に実際に会って話してみると
ダメな人は一人もいない。
みんな、それぞれの「得意の向き」を持っている。
ただ、その得意が「社長の期待する場所」で使われていないだけなんです。
■ミスマッチな配置があるだけ
社員を「ダメだ」と感じる時、
たいていその評価の基準は「社長自身の得意な動き方」です。
速さと直感で動くのが得意な社長の目線で見れば、
慎重に確認を重ねる社員は「遅くて頼りない」に映ります。
でも組織全体で見ると、その「慎重な確認」があるから
社長の大胆な決断が実行まで落ちていく。
社長の得意だけでは、組織は動かない。
社長と「違う得意」を持つ人がいるから、はじめて仕事が回るのです。
■信頼できないのは、その人を知らないから
あなたが社員を信頼できないのは、
その社員の得意な動き方を理解していないから。
得意が見えると、「この仕事はこの人に任せよう」という
確信が生まれます。
任せた結果が出ると、信頼が積み重なります。
信頼は、相手の性格や気合いで生まれるものではなく、
「この人の得意を理解していること」から生まれるものです。
■ダメだと思っていた社員が変わった瞬間
ある会社でこんなことがありました。
ずっと営業担当として配置していた社員が、なかなか数字を上げられない。社長は「うちの社員はダメだ」と思っていた。
でも話を聞いてみると、その社員は新規開拓より
「既存のお客さんを大切にすること」に力が入っていた。
丁寧なフォローが得意で、顧客からの信頼は厚かった。
役割を変えて、既存顧客の深耕担当にしたら、
顧客からの紹介が増え、売上が伸び始めた。
「ダメな社員だと思っていたのに」——
社長はそう笑って話してくれました。
■「なんであいつはこんなこともできへんねん」から、適材適所へ
別の会社の社長は、こう話してくれました。
「それまでは『なんであいつはこんなこともできへんねん』と思っていたのが、『あ、彼はこのプロファイルだから、ここが不得意で、ここが得意なんだ』と理解できるように。適材適所を自信を持って決められるようになり、業務スピードが上がり、売上に直結した」
「ダメな社員」という評価は、得意でない仕事をやらせているだけのことがほとんどです。
■評価より先に理解を
社員を評価する前に、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
「私はこの人の得意を、ちゃんと理解しようとしたことがあるだろうか?」
この問いが、組織を変える最初の一歩です。
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